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< 通路 >
十真(とおま)とクレイフィンはゼファルの対戦をずっと見ていた。
クレイフィン:「…またか」
クレイフィンの呟きはティニーにしか聞こえない。
十真は瞳を輝かせたまま、興奮気味だった。
十真:「すげーっ、すげーよっ!!…魔法バトル…ゼファル、かっこいーじゃないか!!、だろっ?だろ?、フォルメント!!」
フォルメントは十真の興奮が冷める様子がないのに戸惑いがちに笑う。
フォルメント:「そう…ねっ」
十真はクレイフィンが出してくれた椅子から飛び下りると、その場で足踏みをする。
十真:「くぅ~っ…早く魔法…使ってみたいなー」
夢見心地から覚める様子が見えてこないフォルメントは…彼をそっとしておくことにした。
フォルメントはクレイフィンとティニーの元に行く。
フォルメント:「…ゼファル…あれで初級者って凄いわね。一一相手もなかなかの魔法の使い手だったけど…」
クレイフィン:「…私ならあのレパート族の焔の球をもっと有効的に扱うな。…湯気という『防御』としてではなく、『攻撃』としてな」
それを聞いたティニーはそわそわする。
ティニー:「クレイ…あんまり無茶な戦い方は…」
ティニーの泣きそうな顔を見て、クレイフィンの目が優しくなる。
クレイフィン:「…トオマ、ゼファルの勝利を祝って…今日は飲み会だ。覚悟しとくんだな」
クレイフィンはそういって微笑む。
十真:「へっ!?、俺も飲むの?!、ちょっ…俺は未成年…」
クレイフィン:「この世界では未成年も何もない」
クレイフィンは楽しそうに腰を浮かすと、眠らない溜まり場(レスト・センター)へと向かった。
十真が慌てて立つと椅子が消え、また驚かされたのだった。
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