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ゼファル:「あわっ…わわわ一一シンザスぅ~っっ」
ゼファルが情けない声を上げながら両手をバタバタと上下に振り動かす。
十真:「アハハハハハ」
十真(とおま)はゼファルとシンザスのショートコントを見て楽しそうに笑う。
ティニーは慌ててシンザスの許に行き、彼を止めに入る。
ティニー:「あっ…シンザス…ダメだってば一一ゼファルっ!?」
ゼファルは激しく揺らされて、平行感覚を司る三半規管(さんはんきかん)がおかしくなって…フラフラになっていた。
ゼファル:「あれれぇ?…クレイとトオマが…なんか…左右に動いてる…」
それを見た十真は椅子を立ってゼファルに近寄る。
彼の肩に手を置くと顔を覗き込む。
十真:「おい…大丈夫か??」
十真は焦点が合わないゼファルの目を見て心配になる。
クレイフィン:「………」
クレイフィンは沈黙を保っていたが、ため息を吐く。
クレイフィン:「トオマ、ティニー…いつものことだ…そっとしておけ」
クレイフィンはそういって手にしていた飲み物を口に含む。
十真はそれを見てハッとする。
十真:「あ…先に飲んじゃったらダメって言っておいたのに…」
クレイフィン:「…ゼファルやシンザスが戻ってきたのに…いつまでも『乾杯(かんぱい)』とやらが始まらないから仕方ないじゃないか」
ゼファル:「乾杯?」
ゼファルがフラフラになりながらも、十真を見る。よくみるとクレイフィンも彼を見ていた。
十真は小さく微笑むと、飲み物を持っているジェスチャーをする。そして少し高めに持ち上げながら…
十真:「こうやってコップとかをぶつけ合って…飲み始めることだよ」
十真はニコニコとしていた。彼は椅子に座ると、飲み物を持つ。
ゼファルとクレイフィンも彼に続く。
十真:「…ゼファルの勝利と、二人の生還に…乾杯!」
チンッ…という少し高めの音を立てながら、三人は飲み物を口にする。
ゴクゴクゴク…と喉越しが良い音がそのテーブルに響き渡る。
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