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数分後、十真(とおま)はクレイフィンの飲みっぷりにア然としていた。
ゼファルと彼女の飲み物はアルコールが入っていた。それは未成年である十真にとって強すぎるアルコール度数だった。
ゼファルは味わうように飲んでいたが、クレイフィンは普通の飲料水と同じくらいのスピードで飲んじゃった。
十真:「クレイフィン…ピッチ…早くないか??、大丈夫…?」
クレイフィン:「?、ああ…それが?」
クレイフィンは不思議そうに十真を見る。
十真は辺りを見回すと、クレイフィンと同じ種族のポアスティング族も彼女と同じくらいに早いピッチで飲んでいた。
ゼファル:「トオマ…クレイの種族は基本的に飲むスピードが速いんだけど…彼女の場合はアルコールとかあまり気にならない一一『うわばみ』で『笊(ざる)』なんだ…アハハ」
十真はゼファルの言葉にキョトンとする。
十真:「うわばみ?、ざる??」
シンザス:「なんだ?、知らないのか??一一大酒飲みで決して酔わない奴のことだ。確かにクレイの酔ったのは見たことがないな」
シンザスは腕組みをして頷く。
ティニー:「確か…クレイが気まぐれにゼファルのコップにアルコールを注いじゃって…よく酔い潰れてなかったかしら??」
ゼファルは苦笑する。
ゼファル:「気まぐれ…っていうか…独り酒って寂しいかなぁ?…とか思って付き合ったりしてるんだけど…ね」
フォルメント:「付き合って酔い潰れ…介抱されるの??一一ゼファル、付き合うのは止したほうが良いと思うわよ?」
ゼファルはフォルメントの言葉に頭を掻く。
ゼファル:「シンザスやティニーに口酸っぱく言われてるんだけど…俺も飲むのが好きだからなぁ…」
十真はニコニコと笑って胸を叩く。
十真:「よし!、今度からは俺やフォルメントがゼファルの介抱にまわるから…好きなだけ一一」
十真が言い終わる前にフォルメント、ゼファル、シンザス、ティニーが口を揃えて言う。
フォルメント達:「それとこれと…話が違う!」
十真:「…ぇ?、何が??」
十真は頭を掻きながら目を丸くする。
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