第五章

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しばらくして…十真(とおま)達は対戦の話へと自然に変わっていく。 十真:「なぁ…ゼファル?」 ゼファル:「ん?、何?」 ゼファルが十真を見る。 十真:「一一魔法を使うのってどんな感じ…なのかなぁ…と思ってさ」 話を振られたゼファルを始め、基本的に話に興味を示さないクレイフィンでさえも十真を見つめた。 彼等は十真が魔法を扱えていないのを思い出した。 ゼファル:「…えーっと…」 ゼファルはシンザスを見て天井を仰(あお)ぐ。それは何かを考え込んでいるように見える。 やがて彼は十真を見る。 ゼファル:「それは扱った者だけが分かる特権だよ♪…教えてあげても良いんだけど…それぞれに感じ方が違うはず。魔法の扱い方は君が見つけださなきゃいけないよ?一一コツを教えてあげてもいいけど…『優しさで教えること』と『親切で教えること』…どっちが相手の為になると思う?」 十真:「…ぇ」 十真はゼファルの最後の言葉に目を丸くする。 クレイフィンはゼファルの言葉を聞いて小さく頷くと飲み物を口にする。 ゼファルは十真に「その問いの答えが今の君に何が必要であるか分かるはずだよ。それの真意が分かった時に一一君の魔法の『道標』がきっと見えるよ」と言い残したきり、その話はもう出て来ることはなかった。 十真は時折考え込む様子を見せたが、答えはその場で出ることはなかった。
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