第六章

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今日は朝からゼファルの対戦を観戦し、昼と夕方はゼファルとシンザス、クレイフィンとティニーとテーブルを囲みながら雑談をしながら一日の終わりを迎えようとしていた。 < 夜 > 十真(とおま)は少し離れた場所からフォルメントの寝息を聞きながら、ベッドで仰向けになっていた。 彼は枕の上で腕組みをし、枕代わりにしていて考え込んでいた。 十真:「(…やっぱり…フォルメントにも俺の不安とか伝わっちゃってるんだろうなぁ…)」 十真はちらりとフォルメントを見る。小さくうずくまったようにして眠る彼女を見て頬が緩む。 十真:「(…可愛いな、じゃなくて…えーっと…。ゼファルの課題(?)は簡単そうで難しいよなぁ…)」 優しさと親切、それは同じような意味合いを持ちながらも、微妙に違っている。 十真:「(見つけだした答えが一一今の俺にとって必要なものであり、魔法を扱えるその手引きになるのか…)」 見慣れた天井を見つめながらその答えをさがす。やがて出た答えが、自分にとって本当に『道標』となるようなものになるとは思えなかった。 < 翌朝 > 十真:「ぅーん…ぅーん…」 フォルメントは十真のうなされる声で目覚め、彼女は彼を起こそうか迷い、ベッドの傍をふわふわと行き来していた。フォルメント:「(ど、どうするべきなのかしら…っ?、妖精として起こすべきなのよね!?…でもトオマは夢の中でもゼファルの問いの答えをさがしてるのを邪魔するのも…ね)」 そう考えながらあたふたしていると、フッ…と部屋が静まり返っていたことに気付く。 フォルメント:「ぁっ」 フォルメントの小さな視界の中に大きな目がパッチリと開ききった十真の瞳と出会う。 十真はフォルメントをにこやかに微笑みながら眺めていた。 十真:「おはよう、フォルメント。朝から何やら楽しそうだねー」 十真はフォルメントのくるくると目まぐるしく変わった表情を見て「クスクス」と笑う。 フォルメントは慌てて十真が羽織っていた掛け布団の中に、すぽっと頭から全身を隠すように埋もれる。 フォルメント:「起きてたの!?、何でじっと見てるのよぉーっ」 フォルメントは真っ赤になったまま十真に言う。
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