第一章

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< 現在 > < 日本 > 季節は夏。今日はインドア派の笹木野 十真(ささきのとおま)を夏休みに無理矢理引っ張り出した記念すべき日。 友人①:「十真~!、何やってるんだよ、早く来い来い来い~っ」 十真は真夏日を少しばかり過ぎた時期なのに、元気一杯の友人達を見てため息を吐く。彼は黒髪に黒い瞳、服は胸ポケットが付いている半袖のジャケットに、焦げ茶色の膝下まであるズボンを穿いていた。 十真は頭を掻きながら友人をゆっくりと歩いて追う。 十真:「はいはいはい~、ったく…相変わらず…元気が良いなー」 友人①:「アハハハハハハ、当たり前だろ!?、夏休みをゲームとか寝て過ごすお前の夏休みを俺がすっげーモノにしてやろうって考えてやったんだぜ♪」 十真:「あのなぁ…こんなクソ暑い夏に…外に出てはしゃぐのは俺らしくないんだよ」 友人達は頭を抱えて悶(もだ)え苦しむ。 友人達:「ぬうぅぅぅ~っ」 友人②:「お前…本当に高校生か!?、高校生は人生に3年しか味わえないんだぞっ?!」 友人達:「そうだ、そうだ!」 友人①:「十真~、そんなこというなよ~。せっかく俺がお前をだなぁ…」 十真は再びため息を吐く。 十真:「…はっきりというが…今、お前ら…何年生だ?、たまにな、お前らの精神年齢を疑う俺がいる」 友人達:「!!!」 友人達は一斉に両手で顔を隠す。そしてカタカタカタと震え出す。そして耳を両手で押さえると声にならない悲鳴をあげる。 友人達:「~っっっ」 十真:「はぁ…これでも大学受験を控えてる3年の夏とは思えないな」 十真は自分に背を向けて孟ダッシュをして『川』のほうに駆け出していく。
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