第六章

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十真(とおま)はフォルメントの言葉を聞いてニヤリと笑う。 彼は彼女の許に口を寄せて囁(ささや)く。 十真:「…君の慌てる姿が見ていたくて」 フォルメント:「…っ!!!!」 十真のあまりにも甘い囁きにフォルメントは今よりも濃く顔を染めてフルフルと恥ずかしさに身体を振るわせる。 彼は小刻みに震える彼女にそっと手を伸ばして触れようとした時一一 フォルメント:「さっ、触らないでっ」 フォルメントがガバッと身体を起こすと、掛け布団を胸に掻き抱くようにしてふわりと浮かんでいた。 十真は目を丸くしていたが、フォルメントの表情を見て満足そうに微笑み、頷いていた。 十真:「可愛いーなぁー」 十真の言葉の最後にはハートが乱舞してそうに声が弾んでいた。 フォルメント:「~~~っ、トオマのばかーっ」 フォルメントはもうどうして良いかか分からなくなっていたので、十真の顔に掛け布団を投げ付けると、彼に背を向けてクッションのほうに飛んでいく。 フォルメントはクッションに両足を抱え込むと壁のほうを向いていじけてしまった。 十真:「クククク…あ…ごめんって、フォルメント…な?、悪気はなかったんだよー」 フォルメントは十真に背を向けたまま彼に言う。 フォルメント:「あたしと貴方の間に隠し事は通用しません!、何よ…その反省の色がない心の声はっ」 フォルメントの言葉に十真はハッとして胸を押さえる。 十真:「(しまったっ!、フォルメントとの交流…?…というか反応が可愛いすぎて…すっかり忘れ一一)」 フォルメント:「~っ」 フォルメントは両耳を押さえて心の中で「きゃーっ」と絶叫していた。 しばらく彼女は色んな感情に挟まれて身もだえていると、彼が心配している様子に気付く。 十真:「(フォルメント…)」 フォルメントはまだ赤めの頬をしたままでちらりと十真を見ると、心配そうな表情から嬉しそうな表情に変わる。 十真:「落ち着いたか??…ごめん…なんかからかいすぎた…まさかこんなに良い反応をしてくれるとは思わなくて…」 フォルメントは十真の言葉にため息を吐く。 反省している様子の面持ちを見て…ふわりと浮き上がると、ぺちんと頬を片手で叩いてニコッと笑う。 フォルメント:「…これで許してあげるわっ」 フォルメントの可愛らしい行動に十真の胸にズギュンと何かが射抜く。
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