第六章

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十真:「ぅ…可愛すぎ…」 十真(とおま)は両手で右胸を押さえたまま、床に崩れ落ちる。 フォルメント:「はぁっ!?」 フォルメントが再び顔を赤らめると、意味が分からないという風に照れながら腹を立てていた。 十真とフォルメントは日ごとに色んな意味で仲良くなっていく。このあと、フォルメントがティニーとクレイフィンに泣きつきに部屋から去って行った。その間、十真は部屋でそのまま一人ぼっちだったのは言うまでもない。 < 2日後の朝 > フォルメント:「トオマ、準備は良いかしら?」 フォルメントは出入口の扉付近でふわふわと浮かんでいた。 彼女はくるりと後ろに振り返ってそこにいた十真にやんわりと微笑む。 十真はいそいそと着替えを済ませ、壁に立て掛けておいた『赤いボード』を小脇に抱えて立っていた。 彼の表情はどことなく硬くみえる。しかし、無理矢理笑って見せて大きく頷く。 十真:「もちろん!、相手は土人形なんだから…どかーんって強烈な魔法をぶち込むつもりで頑張るさ♪」 フォルメントは「クスッ」と口許に手を当てて笑う。 フォルメント:「トオマ…貴方…言ってることは自信満々のに…表情はその真逆を言ってるみたいよ?…クスクス」 十真:「!、うぐっ…それを言うなよー」 十真は罰が悪そうに頭を掻く。 フォルメントは再びやんわりと微笑むと、扉の方を向いて右手を上げる。すると、キィ…と開くと光りの壁が現れる。 フォルメント:「焦らずゆっくりとゼファルの答えを見つけていきましょう?…貴方のここでの人生は始まったばかりなんだしね♪」 十真:「ぅ…フォルメント…もしかして…俺の心…読んでたりするの?」 フォルメントはニコッと笑う。 フォルメント:「…さぁ?、滝からゼファル達が見守ってくれてるし一一心置きなく健闘するわよっ」 フォルメントは扉の近くに行くと十真を待った。 十真は赤いボードに乗ると、ふわりと床から浮き上がる。 十真:「ぅ…話を逸らされた…まぁ…俺にはフォルメントがいるから…それだけで安心かな?」 フォルメント:「もう…何を言ってるんだか」 十真とフォルメントは光りの壁に飛び込んでいった。
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