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< 海上 >
十真(とおま)とフォルメントが会場に着くと、既に大半の対戦のメンバー達が集まっている様子だった。
十真:「(…ん?)」
十真はその会場の違和感を感じる。前回と比べて明らかに何かが違っている。
十真:「(前の対戦と違って…なんだか集団の固まりが目立つ気がする…俺の気のせいか??)」
十真が辺りを見回していると、フォルメントの声が頭に聞こえてくる。
フォルメント:「(…流石ね、トオマ。彼等は『階級なし』の集団だから…魔法も扱えたり扱えなかったりしてるわ。それを補い合うように、仲間をさがして組んだのよ)」
十真:「(成る程…)」
十真はこの中には仲間がいなかったが、『初級・中級』といった心強い仲間が見守ってくれている。
彼は再び辺りを見回してみる。
集団で固まっている彼等ばかりではなく、十真のように個人でいるメンバーもいる。
十真:「(あの人達も俺と同じなのかな?)」
不思議そうに思っていると、フォルメントと妖精達が一カ所に集(つど)う。
右手を横に出し、上に掲げて、下に向けながら彼等は言った。
フォルメント達:「古しえの契約において、今ここにその中からを示せ…『土人形のお遊戯(カプティブ・シール)』」
ピカァッと中心部に光りが集まり、地面の砂漠が小刻みに揺れ動く。
妖精達は自分のパートナーのいるところに飛んでいく。
フォルメント:「トオマっ!」
十真:「おぅっ、行っくぜー♪」
十真は右手を拳にして左手の平にパンッとたたき付ける。
周囲にいた集団達は空いた場所に散り散りに散らばると、土人形が姿を現すのを待っていた。
やがて、ザパーンッという音と共に土人形が姿を現す。
土人形:「ゴオオオオッ」
土の中に含まれている空気が放たれ、いかにも土人形が叫んでいるように見える。
十真は魔法を放つのに躍起にならずに、とりあえず周囲の観察を始める。
彼にとって集団バトルを見るのは初めてだった。何故、そうしようと思ったのか…彼自身…分からなかった。
フォルメントは『今は』十真からの指示を待つだけでよかったので、ただ…様子を見ているだけだった。
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