第六章

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仲間をまだ見つけていない彼等、仲間を見つけようとしていない彼等は…自分が思い描く魔法を放ったり、放てなかったり…もがいていた。 集団の固まりは対戦から役割を分担してあったのか、率先して攻撃魔法を放つメンバーがいた。 よく見ると、メンバーの中には土人形の動きから目を離すことなく、じっと見つめるだけの者がいた。 じっと見つめる彼等は、土人形が動くと…防御魔法を放ったり、誘導していた。 その集団のメンバーの中にはまだ魔法を放てない者も混じっているようだった。 十真:「(…へぇ…?)」 十真は役割分担をしている集団がほとんどなのに気付く。 よく見ると、分担されているメンバーは『その魔法が得意そう』であり、『失敗することはなかった』。 十真:「(んー…流石に失敗は出来ないだろ、やっぱり。攻撃魔法の担当者は防御魔法の担当者に命を預けてるみたいなものだしなぁ…)」 十真は頭を掻く。 十真:「(ん?、待てよ…ゼファルやクレイフィンはどっちになるんだろ?…ゼファルは攻撃はもちろん、防御も…やってた…よな?…クレイフィン…まだ『槍』しか見たことが…)」 十真は対戦途中のというのに、頭が混乱してきたため…赤いボードの上で頭を抱え込んでもがく。 もがく十真を見たフォルメントは苦笑する。 フォルメント:「(…トオマはなかなか好い線まで行ってるわよ)」 フォルメントは内心で思うが、十真には伝わらない。 十真のように『感情を垂れ流し状態』ではなかったからだ。彼女は『送る調整はたやすかった』。 フォルメントはゼファルの対戦や、クレイフィンのティニーの様子を見て推理する。 フォルメント:「(…ゼファルのタイプは『攻防』を、クレイフィンは『攻撃』ってとこかしら?…ティニーは大人しそうに見えても…なんだか黒そうな…)」 フォルメントはハッとして頬を軽く叩く。「今は対戦中…今は対戦中…」と心の中で呟く。
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