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3年生の教室では、塾に遅れると慌てて帰る人が大半だった。
残りはあとわずかな部活生活を名残惜しむかのように、部活に励んでいる。
麗花と愛美は教室に残り、担任に任された雑用をせっせと終わらせていた。愛美はすでに部活を引退済み、麗花は無所属。雑用を任されやすかった。
元は愛美だけが任された仕事だったが、早く終わらせる為に麗花も手伝っていた。
外から声が聞こえてくる。
グラウンドから発せられる大きな声は、静かな教室によく響いた。
「そういえばね……愛美がさっき言ってた可愛いで思い出したんだけど」
愛美は下を向きながら、ふんふんと相槌をうっていた。麗花と愛美は作業を続けながら会話を進めた。
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