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季節は春。桜が舞う、ここ県立神納高校で俺は今年一年を左右するであろうある物の前に立っていた。それは掲示板。
「橘新太……橘新太と……2年A組か」
今日から2年になる俺は掲示板でクラス割りを確認している。自分の名前を確認した俺はそのまま再び掲示板に視線を走らせる。
「お~っす。新太ぁ、また同じクラスだな。また一年よろ~」
そんな俺に声をかけてきたのは中学からの悪友である村井春樹だ。いつものようにそのワックスでセットした髪をいじりながら俺の肩に手を回してきた。
「ええいっ!春樹邪魔すんな!いま俺は今年一年の学校生活を左右する勝負の途中なんだ!」
春樹などにかまってはいられない。再び俺は掲示板に視線を戻した。
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