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「ははぁん。その様子だと茜ちゃんだな?」
「ち、違うって!そんなんじゃないって!」
春樹は顔が赤くなっているであろう俺の顔をニヤニヤと俺を見ている。どんなに否定しても春樹には無駄な事だった。確かに俺は探していたのは香坂茜の名前なんだから。そして香坂茜は俺の好きな人だったりする訳で顔が赤くならない訳がないのだ。
「おおっ!?同じクラスとは奇遇だねぇ、橘くん」
突然、俺と春樹の後ろから明るい声が聞こえる。俺はすぐさま顔を向けた。活発そうな光を放つ大きな瞳。そして爽やかなミディアムヘア。それらに俺は吸い込まれそうになる。
「こ、香坂もA組なんだな」
「そうだよぉ。一年間よろしくねぇ、橘くん」
香坂は俺の手を握り、ブンブンと振り回す。香坂に触れた喜びに再び顔が赤くなるのがわかった
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