俺とあの娘と危険なあの娘

悪夢再び……

「茜ぇ～」

　不意に遠くで香坂を呼ぶ声がした。どうやら部活仲間みたいだ。香坂は一度「ごめんね」と手をあわせるとそのままその仲間の元に走って行ってしまった。

「よかったな？茜ちゃんと一緒で」

「う、うるさいって！」

　俺はその時どんな顔をしていたんだろう。春樹のにやけ面が妙に感に触る。さて香坂は部活の友達に捕まっていたし、もうこれ以上ここにいても意味はない。俺は春樹と共に教室へと足を向けたのだった。

「そういや、圭一もおんなじクラスだったな」

　教室で適当に決めた俺の前の席にカバンをおろし、春樹は言った。