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「えっ?そうなのか……気付かなかったな」
「お前さぁ、いくら茜ちゃんしか見えていないからってヒドイぞ……」
本当に気付いていなかった俺に呆れたような視線を春樹は向けていた。
「だ、だからっ!そういう訳じゃないってのに」
こうは言ったが、実際のところはその通りな訳で俺はそれ以上何も言えなかった。
「ヒドイよ……新太っち」
「う、うわっ!?」
突如として俺の脇から現れたのは三国圭一。春樹が話していた俺たちの友達だ。圭一は俺や春樹に比べかなり身長が低い。そのせいか恨めしそうに俺たちを見上げていた。
実際のところは春樹より圭一の方が付き合いが長い。幼稚園の頃から今までずっと一緒にいる友達なのだ。
「心臓に悪すぎるわっ!」
俺たちは心臓を押さえながら圭一に詰め寄る。圭一は全く悪びれた様子もなくケラケラと笑っていた。
「それより、ビッグニュースだよ。2人とも」
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