昔のお話

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その子は……1人で遊んでいた。 公園で……1人……。 「ご両親は?」 気がついたら声を掛けていた。 「ごりょうしん?」 「お父さんとかお母さん」 「んーとね、お仕事!!」 「仕事?」 「うん。だから、1人で遊んでなくちゃいけないの」 その子は砂場へと向かう。 「こんなところに1人で……」 「おじちゃん、一緒に遊ぼうよ!!」 手招きされた。 「……」 可愛らしい笑顔。 少し茶色がかった髪。 「……ああ」 綺麗だと思った。 子どもを見て、不覚にも「可愛い」ではなく、「綺麗」だと思ってしまった。
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