終わりの始まり

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でも自分がこうなると思うと怖い。 痛いのは嫌だ。 ――トン、トン、トン、トン、 誰かが、ゆっくりと階段を上がってくる音がする。 多分犯人だろう。 ――トン、トン、トン、トン、 私の人生はここで終わりなのか… でもイタイのはやだイタイのはやだイタイのはやだ ――トン、トン、トン、トン…トン 犯人二階へご到着。 ゆっくり飛び出てこんにちはー ソイツはテレビの犯人役がするような真っ黒な服装ではなく、普通にジーンズにコートを着ていた。 一家を惨殺するために靴を脱ぐ必要はないらしく、靴をはいたまま、手に手袋をしたまま 包丁を持っていた。 しまった。 部屋からハサミでもなんでも持ってくるんだった。 私と犯人は、母親を挟んで向かい合っている。
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