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怒ったような、泣きそうな表情でルカがあたしを見上げる。
ルカの身長はあたしより低い。
「…事情は言えない」
「なんで!?」
あたしは静かに首を横に振る。
「あんたも誰にもいじめられんようになったし、けんかもそこそこ強くなったと思う」
ルカの目を見て話ができない。
あたしは一人で話し続ける。
「力を使う目的だけ、間違わんようにな」
少し微笑んでルカの頭を優しく撫でた。
そして最後に。
「あさって、大阪に帰る」
そう言ったら、ルカに腕を引っ張られた。
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