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「お嬢、そろそろテストが近いみたいやけど勉強はしてますか?」
コップにお茶をそそぎながら彼はあたしに言う。
お茶の入ったコップを受け取りながら答える。
「それ、いやみ?」
ジト目で言った。
「まぁ、トップになれとは言いませんけど😁」
彼の名前は楠木ユタカ。
あたしが物心ついた時から家にいた。
あたしが産まれたときは11歳で、いまは28歳だ。
忙しい父に代わり、動けない母に代わり、あたしの親でもあり兄でもあり、あたしの尊敬する人。
「ユタ兄、あたしにケンカ売ってんの?」
むくれながらユタカの作ってくれた朝食を食べ始める。
「まさか😁可愛い妹であり娘を心配してるんやんか😉」
おいしいごはんを食べながら会話をする。
「せや、今日はお嬢に会わせたい人が来るから寄り道せんと帰ってきて下さいね」
「会わせたい人?」
「親父っさんも今日はおりますから…」
「お父さんも?」
何だろう…
何かあったのか、何かあるのか…
「お嬢!ゆっくりしてたら遅刻しますよ💦」
ユタカが時計を見てあたしに言った。
あたしは慌ててごはんをかき込み家を出た。
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