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「え、なんて?」
あたしは聞き間違いかとも思い、聞き返した。
「僕に、けんかのやり方を教えて下さい」
ぐすぐす言いながらはっきりとそう言った。
「なんで?」
あたしの返答は短い。
…それには理由がある。
「僕、強くなりたいから。さっきのお姉ちゃん見てて…それで…」
「…強くなってどないするんや?」
あまりしゃべりたくない理由。
あたしは関西人だ。
この間、諸事情により関東へ引っ越してきた。
友達と呼べる人はまだいない。
それがとりあえずの悩みでもある(-_-)
案の定、あたしの言葉に一瞬キョトンとする。
「とりあえず、そのナリをどないかしよか」
まるであたしがイジメたみたいに見える(-_-;)
公園の水道に手を引いて連れて行く。
「あんた、いくつ?」
水道の冷たい水で泥を流してやる。
「12歳」
「名前は?」
「自分から名乗らない人には名前を言うなって…」
チラリとあたしの顔をみて言う。
「はっ!いきなりけんか教えてって言いに来るんはええんかい!✋」
思わずツッコミをしてしまう。
それにビクリと反応する。
あの、ツッコミっていっても手は出さずに口だけでしたんですけど何その反応😒
水で指先が赤くなる。
膝や肘の泥は流れたので後は顔を洗うように促す。
「あたしはマオ。結城マオ。中二やで。あんたの二つ上😃」
あたしは手を拭こうとスクールバッグの中を漁る。
「僕はルカ。櫻井ルカ」
顔をバシャバシャ洗った後にそう言いながらあたしをみた。
「!?」
ルカはあたしを見て驚いたように目を見開く。
あたしは箱ティッシュをカバンから出して手を拭いていた。
「ほら、あんたも使っていいから拭きぃや」
箱ティッシュを渡すと素直に受け取り数枚取り濡れた所を拭き始める。
「箱ティッシュ持ち歩いてるんですか?😓」
あらかた拭き終わり箱ティッシュをあたしに返しながらルカが言った。
「便利やで😉」
あたしはカバンの中に箱ティッシュを直した。
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