少年

12/16
前へ
/302ページ
次へ
なぜだかわからないけど、チィがとても寂しそうに見えた。 誰かに助けを求めているような、なぜだかわからないけど、初対面なのにそんな事を感じた。 失恋の傷がまだ癒えない自分と、なにかが重なって見えたのだろうか。 「ねぇ、チィちゃんは、恋愛対象は女の子?男の子?」 ぼーっとしていたせいか、そんな無神経な質問が、わたしの口から飛び出した。 「あっえーと、突然変な質問してごめんんなさい。」 あわてて謝ると、チィは意外にも笑いながら答えてくれた。 「女の子だよ。好きになるのは小さい頃から女!!うち身体は女だけど心は男なんだ。信也とは幼なじみで、昔からいろんな事して遊んだよ。もちろん男同士としてねっ!それにしても里奈ちゃんは直球だね~!まぁ逆にいいけど!」 「あは、ごめん。でも答えてくれてありがとう。」 第一印象よりも話しやすいチィに、わたしは安心した。
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!

141人が本棚に入れています
本棚に追加