少年

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複雑だった。 わたしだって、チィとどう接していいのかわからなかった。 なのに、そんなわたしを他の人と違うって感じたのなら、チィは今までどれだけの人間に傷つけられてきたんだろう。 底知れない傷がチィにはあるんだと あらためて思った。 どんな言葉で人を傷つけてしまうんだろう。 どんな言葉で人を幸せにしてあげれるんだろう。 「もう、疲れたよ…。」 別れた彼からの言葉が 頭の中をぐるぐる回った。 きっと、そこまで考えながら言葉を発する人は少ないのかもしれない。
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