夏の日の幻影

分岐点

父の話しによるとこうだ。

わたしの血液中の血小板と白血球が異常な数値を示しているとの事。

きちんと設備のある病院に移り、検査をして治療した方がいいとの事。

考えられる病気は……

白血病。

わたしの頭は真っ白になった。

でも、なにもしないで寝ている訳にもいかない。

わたしはすぐに決断し、県立病院に移る事になった。

でも、県立病院は自宅からも遠く、車で二時間以上かかるところにあった。

心細さと不安で、いっぱいだった。

医学の本やらインターネット、思いつく情報源から白血病について調べまくった。

少しでも安心したかったんだ。

でも、書かれている事はわたしを安心させてはくれない恐ろしいものだった。

わたしは脱け殻になった。

生まれて初めて「死」というものを 身近に感じた瞬間だった。