3/6
前へ
/15ページ
次へ
真夜中の、滅多に人が来ない公園で 甲高い女の声が響いた 「そんな声出さなくても聞こえてる」 それに答えるのは落ち着いた男の声 「貴方も私から離れていくんでしょッッ!!」 聞く耳貸さない目の前の女性に青年は溜め息を吐く 「アンタがそんなだから出ていったんでしょ」 「私は…ワタシはドコも悪くないっ」 薄気味悪い笑みを浮かべる相手に最早話しは通じないと諦める 女は青年の母親 何故こうなってしまったのか。答えは少し考えれば分かる事 病んでいる。それが一番しっくりくる答え 異常なまでの執着心。彼女の夫が仕事で少し遅くなるだけでヒステリーを起こす。そして其れは日が経つにつれ酷くなり、息子である青年にも執着するようになった。壊れていく彼女に耐えれなくなった夫は、すまん。と一言残し出ていった 別に無責任とは思わない。同じ立場なら、自分もそうしたかもしれない その数日後が、今  
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加