雨の匂いは幸せの香り

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それからは何だかよく覚えていない。 覚えられないくらい、ミサとタクヤは色々と話した。 話しながら、ミサは最近タクヤを避けていたことに気づいた。 こんなに話すことが溜まるほど最近はタクヤと喋っていなかったのだ。 唐突にタクヤが立ち止まった。 『あのさ、家確か遠かったよね?乗ってきなよ。』 自転車の荷台をポンと叩いてタクヤは言った。 『ありがとう。ちょっと急いでたんだ。』 ミサはそういって荷台にまたがった。 本当は急ぎの用事なんて何もなかった。 けれど、このチャンスを逃すともうタクヤとは離ればなれになる… そんな気がしたのだった。
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