3.卒業

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  「ありがとう…愁。」 涙で滲む視界。 優しく微笑んだ春は、 舞い散る桜の花びらの中、 暖かな春の大気に溶けていった。 「忘れない…ずっと。」 春が死んでから 今日でちょうど1年目だった。 この桜の樹のもとで会い、 今日ここから卒業する。 総てを知っているのは この桜大樹だけ。 “忘れないよ、大好きだから”
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