海生

6/25
前へ
/527ページ
次へ
思いっきり拒絶しても ヘコヘコ後ろからついてくる弘貴をシカトして 俺は玄関を開けた 奴が入る前にドアを閉めてやろうとしたけど 足を挟みやがって… 「ふん…」 俺はそのままリビングへ行き ダイニングテーブルの上を見てわざとらしくため息をついた 「新ちゃん…お帰り。 朝ご飯食べるの?」 母親はいつも俺の顔色を窺う ムカつく… 「朝は飯がいいっつってんだろ!」 いきなり帰って来て文句をつける俺に 母親は慌てて立ち上がった 「ごめんね…じゃあご飯炊こ…」 「新太郎っ!!」 オドオドする母ちゃんの声を遮ったその怒鳴り声は… げっ!ばぁちゃん… おずおずと振り向くと 鬼のような顔のばぁちゃんがソファーから立ち上がった やっべ… この人だけは苦手なんだよ… 「ははっ…」 とりあえず作り笑いをして 慌ててリビングを出ようとしたけど… 「逃げられると思うかい?」 思いっきり首ねっこを掴まれた
/527ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5211人が本棚に入れています
本棚に追加