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グランドに、ホイッスルの音が鳴り響く。
「試合終了!!」
審判の合図とともに、赤いビブスをきた11人の選手達が、ピッチに頭をたらす。
「なんだよ。やっぱりサッカーって簡単じゃん。あーあ、時間無駄にした」
そんな中、そんなことを言って腕を頭の後ろで組む少年がいた。
彼の名は、駿河昴(スルガスバル)。
清澄高校の一年生だ。
「そんな……俺達が、一年のチームに負けるなんて……」
今までグランドで行われていたのは、サッカー部の紅白戦。
いや、レギュラー対一年と言ったほうがいいだろう。
誰もがレギュラー陳の圧勝だと思っていた。
いかに身体能力が優れているスバルでも、11人の団体競技で負けるはずがないと思っていたからだ。
しかし、スバルが入部し、その才能に嫉妬して宣戦布告をレギュラー陳がしてからわずかに一週間。
その間に、スバルは非レギュラー陳をレギュラー陳と試合ができる程度まで育て上げていた。
しかし、それだけで負けるようなレギュラー陳ではない。
序盤から積極的に攻め、得点を重ねていた。
しかし、それも最初の20分だけ。
気づけば、スバルがFWからDFまで兼任し、ピッチを走り回っていたのだ。
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