水河家

3/17
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
悠「な、夏希か!?早く!夏希だけでも逃げろ!!」 悠は、夏希だけでもこの殺人老婆から逃がそうと必死に言った。 夏希「……はぁ?何言ってんの?それより婆ちゃん。悠が変になっちゃうよ。離してやれば?」 しかし、夏希には訳の分からない行動で、訳の分からない光景だった。 老婆「……ん?もしかしてこの子は例の子かい?…………アッヒャヒャヒャヒャ!これは、これは。マズいことをしてしまったのぅ」 老婆は、そう笑いながら言うと、スッと手を離した。 悠「ハァ……ハァ……。どういうこと?」 悠は、まだパニック状態で落ち着いていないようだ。 場所は移り、居間。 夏希「はい」 悠「ありがとう」 夏希は台所からコップに水を入れ、それを悠に渡した。 悠はそれを一気に飲み干す。 冷たく冷えた水が、喉を通る。 この水が、風呂上がりのまま飲んだらどれだけ美味しいだろうと悠は思った。 老婆「落ち着いたかい?さっきはすまなかったねぇ」 先程の老婆が悠に向かってそう言った。 よく見ると、猫背だが、さっきとは打って変わって、目はとても優しそうな目をしていた。 悠「いえいえ。大丈夫です」 悠は正座をし、苦笑いをしながらそう言った。 正直の所、全然大丈夫じゃねぇよ。死という怖さを肌で感じたよ。と言った所だ。 夏希「紹介するよ。水河 米子(ミズカワ ヨネコ)婆ちゃん。私の親代わりだよ」
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!