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悠「な、夏希か!?早く!夏希だけでも逃げろ!!」
悠は、夏希だけでもこの殺人老婆から逃がそうと必死に言った。
夏希「……はぁ?何言ってんの?それより婆ちゃん。悠が変になっちゃうよ。離してやれば?」
しかし、夏希には訳の分からない行動で、訳の分からない光景だった。
老婆「……ん?もしかしてこの子は例の子かい?…………アッヒャヒャヒャヒャ!これは、これは。マズいことをしてしまったのぅ」
老婆は、そう笑いながら言うと、スッと手を離した。
悠「ハァ……ハァ……。どういうこと?」
悠は、まだパニック状態で落ち着いていないようだ。
場所は移り、居間。
夏希「はい」
悠「ありがとう」
夏希は台所からコップに水を入れ、それを悠に渡した。
悠はそれを一気に飲み干す。
冷たく冷えた水が、喉を通る。
この水が、風呂上がりのまま飲んだらどれだけ美味しいだろうと悠は思った。
老婆「落ち着いたかい?さっきはすまなかったねぇ」
先程の老婆が悠に向かってそう言った。
よく見ると、猫背だが、さっきとは打って変わって、目はとても優しそうな目をしていた。
悠「いえいえ。大丈夫です」
悠は正座をし、苦笑いをしながらそう言った。
正直の所、全然大丈夫じゃねぇよ。死という怖さを肌で感じたよ。と言った所だ。
夏希「紹介するよ。水河 米子(ミズカワ ヨネコ)婆ちゃん。私の親代わりだよ」
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