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自分の中でなんとか辻褄を合わせようと努力した。
「幸せの黄色いハンカチ」を深夜テレビで観た時は(ああ、これだ。これだ)と胸を撫で下ろした。
でも本当は、腑に落ちない。
俺はあの夜、先生の車で先生のアパートまで一緒に帰った。
そして、しばらくオーラを放つ『花』を眺めて俺はアパートを後にした。
アパートを出てすぐ、夜も明けようという時間に女の人が歩いていた。
先生のアパートの方向へ向かって、スタスタと歩いていく女とすれ違った。
その後の事は解らない。
恐ろしくなって帰ってしまった。
今でも後悔している。
何故、あの時、女を尾行するなり声を掛けるなりしなかったのか。
花の秘密を知りたい。
俺は今日も深夜の住宅街を徘徊する。
闇に浮かぶ『花』を探して。
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