花の秘密

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これまでに下着泥棒をしてみようなんて、考えた事も無かった俺は、只単純にこのスリル有る遊びを面白く思った。 物を盗むのは犯罪だ。 それは知っている。 でも、たかが下着じゃないか。 それに、洗濯物が風で飛ばされて失くなる事なんて良くある事だ。 俺は、さほど罪悪感を感じなかった。 「なんだ。そんなのなら、さっきから一杯有りましたよ」 「な・・なんだって」 目的も解らず、ぼーっと歩いていたので、目には入っていたけど言わなかっただけだ。 「ほら。あそこの庭にもこっちのベランダにも。もっと前にも有りましたよ」 「ほ・・本当だ」 片っ端から盗んでいく怪盗柳田。 足音を忍ばせて浸入する彼の技術には、真実、感心した。
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