《少年》

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驚いて、悟は思わず立ち上がった。 首を振って辺りを見渡す。 しかし、声の主は見当たらない。 気のせいか… 思って、再び、ベンチに腰を下ろした。 すると― 「こんにちは」 低くなった視界に現れたのは1人の少年だった。 まだ声変わりもしていない、透き通った声。 「オマエかよ、俺を呼んだのは」 ガキが何の用だ、という気持ちをあからさまに表しながら、悟は溜息混じりに言った。
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