《髪》

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どれくらい探しただろう。 もう足が棒のようだ。 悟はフラフラとどこへいくともなく歩き、目についた公園のベンチに腰を下ろした。 一息つくと、急に喉が渇いてきた。 ぐるりと周りを見渡す。 公園の入口付近に自動販売機があった。 悟は力なく立ち上がると、またフラフラと歩き出した。 髪、切ってたな… 財布から小銭を取り出しながらも、悟は先ほど見たさくらを思い出していた。 半年前までは腰まであった長い髪が、肩程までに短くなっていた。 さくらはいつもそうだ。ひとつの恋が終わると髪を切る。 想いを断ち切って、新しい自分に生まれ変わるためだと言っていた。 今時、珍しい古風な女だ。 しかし、悟はさくらのそんなところも好きだった。 そして、さくらの髪が切られることはないと信じていた。 彼女から突然、別れを告げられるまでは…
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