第一笑 おやじの変貌…

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音を立てて吹く風と… やがて雪に変わる今の時期には相応しくない寒さ いくつかの問題を抱え、出勤した まずは、健保協会に電話するもお決まりの答しか得られない 次に東京の支店に電話するが、やはり個人の利益の話しだけあって喧々囂々 少し、鬱になりかけたころ佳奈からの電話に少しだけ心が和んだ 「明日お休みだっけ?私もオフだから…どっか連れてって♪」 ごめん…明日は前からの約束があって… 「そっかぁ~もう昼休みが終わるから、また夜に電話するね!」 ありがと♪たぶん、夜は寄れると思うよ! 「じゃあ、何か作っておくね♪」 優しいような素っ気ないような そんなかたちで電話を切った こんばんわー 「おかえり~」 まるで夫婦みたいなお迎えに俺は少し戸惑った あっ…いや… 「何?…」 もうごはんの用意出来ているの?びっくり 「てっちゃんの好きな“かつ丼”に挑戦してみたの…」 … 「どお?美味しくない?」 美味しくないとは言えないけど、ちょっぴり味を濃くした方がいいかもね 「そっか~今度作る時は考える…ごめん」 謝ることないよ!ちゃんと作れているんだから 俺の贅沢だよ! 引っ越しの準備は順調なの?もう少しだねー 「あのねー私、てっちゃんと、お別れするとは思っていないよ!だから…お別れとか、さよならとかゆわないで欲しいの…」 … 「いってらっしゃいとかもいらないし、何となく自然に離れて、いつかまた逢いたい…そんなのダメ?」 俺は佳奈が大好きだし… こんな会話続けるの嫌だから、楽しく今は過ごした方がいいかもねーごめんね 「またーすぐ謝るっ!」 佳奈…
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