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クロは軽快に、リリスはけだるそうな足取りで扉を潜る。
二人を出向かえたのは、高級感溢れるクラシックな雰囲気の部屋。
軽く数百人が収納出来てしまいそうな部屋の真ん中には、大理石で出来た長テーブルがおかれ、その上には朝餉が四人分置かれている。
「あっ、おはよう兄さん、リリス」
と、天使のような笑みが、テーブルの右端に座る少女から向けられる。
「おう、おはよう戀華」
「おはようございます戀華様」
「もう、皆兄さんが来るのを待ってたんだからね。
もうお腹ペコペコよ」
戀華と呼ばれた赤髪の少女は、文句を言いつつも、クロの登場に嬉しそうだ。
クロを『兄さん』と言う呼び方からみる限り、クロの妹といったところだろう。
「はは、ワリィな。
父さんと母さんも、おはよう」
クロは苦笑しつつも戀華と向き合うように反対側に座る。
そして、クロと戀華をの席を除いた、残りに腰掛ける男女がクロの言葉に反応する。
因みに、リリスたち使用人は、三時間ほど前に朝食を取っている。
「ああ、おはよう」
「おはよう、クロクロ」
¶棗¶様より クロ
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