序章 平和な時間

7/11
前へ
/13ページ
次へ
クロは軽快に、リリスはけだるそうな足取りで扉を潜る。 二人を出向かえたのは、高級感溢れるクラシックな雰囲気の部屋。 軽く数百人が収納出来てしまいそうな部屋の真ん中には、大理石で出来た長テーブルがおかれ、その上には朝餉が四人分置かれている。 「あっ、おはよう兄さん、リリス」 と、天使のような笑みが、テーブルの右端に座る少女から向けられる。 「おう、おはよう戀華」 「おはようございます戀華様」 「もう、皆兄さんが来るのを待ってたんだからね。 もうお腹ペコペコよ」 戀華と呼ばれた赤髪の少女は、文句を言いつつも、クロの登場に嬉しそうだ。 クロを『兄さん』と言う呼び方からみる限り、クロの妹といったところだろう。 「はは、ワリィな。 父さんと母さんも、おはよう」 クロは苦笑しつつも戀華と向き合うように反対側に座る。 そして、クロと戀華をの席を除いた、残りに腰掛ける男女がクロの言葉に反応する。 因みに、リリスたち使用人は、三時間ほど前に朝食を取っている。 「ああ、おはよう」 「おはよう、クロクロ」 ¶棗¶様より クロimage=277604838.jpg
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加