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「…それで、二人を呼んだ訳なんだけど」
コホンと咳払いを一つしてから社長は話を始めた
「実は、この間捕まえた蛙鬼をボクが逃がしちゃったんだ」
蛙鬼(アキ)とは、その名の通り蛙(カエル)に似た手のひら程の子鬼で、ILの低級に属する
社長が言うように、前回の任務地で捕まえて封じでいたんだけど、どうやらそれを逃がしてしまったらしい
「それをもう一度捕まえてこいってことですか?」
アイちゃんが先を聞くと、社長は苦笑しながら続きを話した
「確かにそうなんだけど、今回はボクの不注意だから気長にのんびりやって貰おうと思ってるんだ」
「気長に…ですか」
「蛙鬼だけなら大した力もないからね、有給休暇の小旅行って感じで…どうかな?」
「ワオ、休暇なんて久しぶりかも。ILも最近は大人しいし、僕は賛成!」
出された提案に僕は賛成だと答える
隣にいるアイちゃんも少し考えてから、確かに、と呟いた
「でも学校があるし…」
「サボっちゃえよー、元々行かなくてもいいんだしー」
「それもそうか、じゃあ行きます」
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