プロローグ

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「あー…暇だねぇ」 男が言った 「仕事して下さい」 女が応えた 「だってさ、最近IL(イル)も大人しいじゃない?」 男は頬を膨らませて言った 「それはそれで、いいことじゃないですか」 女は湯気の立つカップを置きながら応えた 「そりゃ…余計な仕事はないに越したことはないけど」 男はカップに手を掛けながら言った 「でも、それとこれとは別問題だよ?ボクは暇なんだ!」 男は二口分ほど減ったカップを置いて続けた 「知りません、仕事して下さい」 女は素っ気なく応えた 「うぅ…彩くんはつれないよ…」 男が机に突っ伏した、その時 ガッチャーン 何かが割れた 「…………あ、あぁぁぁぁ!!?」 男が叫んだ 「…また仕事が……」 女は右手で顔を覆った 「はぁ…社長、あの子達を呼んできます」 女はため息を吐いて立ち上がった 「……一発ずつ殴られる覚悟、しとかなきゃなぁ」 男は苦笑を浮かべた 「さぁ、忙しくなるぞ」 男が呟いた声は、至極楽しそうだった
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