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「それ」
「それ」は、一つ一つが「個性」を放つ。
天に向かい臆することなく顔を上げる。
僕も「それ」にならって空を見上げる。
目に映ったのは近頃強くなった日差しと、青いキャンパスに浮かぶ白い雲。
思わず目を背けた。そして思った。
「僕も胸を張って空を見上げることが出来るようになるのだろうか。」
「それ」に目を移す。相変わらず堂々と空を見上げていた。
家に帰る時のちょっとした出来事。他人から見れば些細なことなのだろう。
でも僕は「それ」に勇気をもらった気がした。「頑張ってみよう」と思った。
再び帰路につく。途中にも「それ」はあった。みんな空を見上げていた。
中には俯いている者もいた。悲しそうな顔をした「それ」は、少ししおれていた。
そんな風景を見ながらの帰り道。何となく上を見ながら歩いた。
少しだけ前向きになれた、道端に咲く「花」に勇気をもらった、ある日の帰り道。
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