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電磁誘導カタパルトが唸りを上げる。
ライト・カタパルトから、リュートのマヴェリックは、フライトユニットで飛び発った。
次々にグラディウスから、そして他の艦からも、フライトユニット装備のマヴェリックが発進していく。
迎え打つ、迎撃ミサイルの嵐。
攻略作戦は開始された。
「味方機、最終防衛ラインを突破!要塞制圧まであと僅かです」
レーダーを確認し、ユキがそう報告する。
作戦開始から約二時間。
戦況は、物量で勝る連合軍が圧倒的に押していた。
最終防衛ラインを突破した味方機が、次々に要塞に取り付き、爆撃していく。
誰もが勝利を確信する。
だが―
報告を聞いたブリッジ要員達が僅かに表情を緩めるその中で、キャプテン・シートに腰掛けた、グラディウス艦長『ラスティ=ジークス』は、一人眉をひそめた……
「ハァ……ハァ……」
地に降り立ったマヴェリックのコックピット。
グリップを握ったまま、リュートの呼吸は荒かった。
周囲には、撃墜され黒煙を上げる敵・味方入り交じる無数の機体の残骸。
最終防衛ラインを先行し、突破して―
リュートは、言い知れぬ違和感を感じずにはいられなかった。
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