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……抵抗が薄い……
それは、リュートだけが感じた僅かな違和感。
だが、敵側の抵抗は、決して薄いなどと言えたモノではない。
ならばこの胸騒ぎは………?
ゴゴゴゴ…
答えは、凄まじい地響きと、突然二つに割けた要塞の地下から出現した。
敵・味方、双方の動きが、数秒の間静止する。
巨大な赤い戦艦が、上空高く浮上していくその様に。
「何だと!?あれは……」
メインスクリーンに写し出された『それ』に、ラスティは思わず席を立つ。
全長15㎞はあると思われる超巨大な船体に、無数に備え付けられた大小様々な砲座。
何より特徴的な、艦首の巨大二連砲門。
移動空中要塞―
まさしく、それと呼ぶのに相応しい。
一定高度に達し、巨大戦艦は上昇を止め―
「面舵!あの巨大戦艦の前面から緊急退避!!」
巨大戦艦の二連砲門が光の粒子を収束し始めると、ラスティは叫んだ。
グラディウスに続き、他の艦も退避行動を始め――
ゴバァアアアア!!!
轟音と、凄まじい光。
マヴェリックのリュートも、グラディウスのクルー達も眼を覆う。
いち早く回避行動を開始し、火線上から間一髪逃れたグラディウスの船体が、嫌な悲鳴を上げる。
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