EPISODE

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 連なり聞こえる幾多の爆発音。  数秒の後―  リュートが眼にしたのは、薙ぎ払われ、何も残らぬ大地。  それが、地平線まで続く様。  皆、言葉を失った。 「だ…第五、第六艦隊…反応消失……」  ユキが、震える声を絞り出す。  ギリ―と、ラスティは歯噛みした。  得体の知れない、嫌な予感はあった。  このまますんなりと要塞攻略出来るとは思っていなかったが― 「各艦隊の被害状況を知らせ!体勢を立て直す!!」 「確認します!」  キャプテン・シートに腰を下ろし、ラスティはメインスクリーンを睨み付けた。   「ちっ……!」  リュートは一つ舌打って 「!?」  マヴェリックは、後方へ跳び退いた。    ドン!  今までマヴェリックの立っていた地面が弾ける。    ゴォッ  陽の光を背に受けて、その黒い機体は飛来した。 「アイツは……!」  知っている機体…どころの相手ではない。  開戦当初から、幾度となくリュートの、マヴェリックの前に立ち塞がった敵軍のエース―  ―『IGF X01―2 リブリーグ』―  ―『ブラック・オーガ(黒い鬼神)』―  軍内でそう呼ばれ、文字通り鬼神のごとき強さを持ち、これまで幾多の味方が葬られてきた。
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