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悲痛に震えるかのようなユキの報告。
要塞の、巨大さ故の決定打の欠乏と高い迎撃力に、連合軍が攻めあぐねていた所への第二斉射。
それは、山間の地形が災いし、思うように回頭出来ない艦隊への直撃だった。
「リュートはまだ取りつけないのか!?」
ラスティがそう報告を求める。
ユキはレーダーを確認し―
「敵機と交戦中!」
震える声を絞り出す。
安否の確認が取れた安堵と、それ以上の不安と祈りが入り交じる。
リュートは自軍のエース・パイロット。
それは、誰もが認め期待している。
要塞攻略の、先陣を切ってくれるハズ―と。
この状況下であっても、それは変わらない。
ユキとて同じ。
だが、それ以上に愛しい男性(ひと)の無事を、切に願う。
「要塞の左右に展開しつつ前進!集中防火!!」
リュートにいちるの望みを託し、グラディウスは前進を再び開始した。
マヴェリックとリブリーグが激しく交錯する。
マヴェリックのガトリング砲をかわしつつ、接近したリブリーグのダガーナイフを、腕ごと拳で弾く。
が、リブリーグは僅かに体勢を崩しつつも、バーニアをフル出力させ、間をとる。
遅れて発射されるガトリング砲。
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