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左膝を微かにかすめたが、ダメージと呼ぶには及ばない。
攻防は、一進一退と言えた。
リブリーグの放つライフルの銃弾をかわしつつ、リュートは歯噛みした。
―速く要塞をなんとかしなければ―
―と
リュートは眼を見開いた。
その眼に写る、被弾し、足を止めたグラディウス。
その後方の艦が黒煙を上げている事から、援護のために接近、被弾したのだと予想が付く。
弾幕を張って今はしのいでいるが、敵機に囲まれたあの状況では長くもちそうにない。
リュートの脳裏に、ユキの顔が浮かび上がったのとほぼ同時―
ゾブ!
嫌な感触と、金属の切断音。
落下していく、自機の、肩から先のレフト・マニピュレーター。
―やられた―
リブリーグのダガーナイフに斬り裂かれた。
マヴェリックの、動きが静止する。
リブリーグは大きく間をとると、好機とばかりにライフルの照準をコックピットに定め―
「……け……」
ロックオンの警告音が鳴り響くその中で、リュートは口を開く。
「どけぇえええ!!」
奮起と共に、マヴェリックはリブリーグに向けて突撃して行く。
次々に放たれる銃弾を巧みにかわし、間が詰まったその瞬間
ザン!
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