そ し て

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  大会から帰り、地元の駅へ着く。 先輩の家は近く、すぐに佐久先輩と私に別れを告げた。 「佐久! 美羽(ミワ)ちゃん襲うなよ!」 「誰がこんなん襲うか!」 笑いながら2人はそう言っていた。 「なら、お前の普段の行動は何?」 なんて、思っても言えるはずない。 いつもの場所まで、いつものように会話。 最近の会話はアドバイスではなく 「美羽は (卓球において)こうやるべきだ、 こういったプレイヤーを目指すべきだ」 そういったことの会話だった。 相槌はうつが否定はしない。 「でも、私は……」 そう言えば先輩は少しムッとなり、 発する言葉にさっきよりずっと、 力を込め説得させようとする。 だから私は何も言わない。 私は卓球が好きで、卓球を始めたのに、 縛られてばかりで辛くなってきた。  
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