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「せ、先生!?どうしたんですか!?」
未咲が葉子の顔を覗き込みながら焦った様子で問いかけた。
「いやはや、やはり錬金術など専門外だな。解毒薬を作ろうとしてなぜ爆薬が出来てしまうんだ?」
現代における錬金術とは化学の延長のようなものである。
複数の物質を混ぜ合わせる際、そこに自身のマナを加える事によって通常とは違う結果を得る。
だが、さすがに解毒薬を作ろうとして爆薬が出来てしまうなど滅多にあることではない。
むしろあってはいけない事ではあるが。
「もしかして、神谷先生も錬金術苦手なんですか?」
さっきまでの恐怖はどこへやら。
澪は同族を見つけたような目で神谷葉子を見ている。
「七瀬、お前も錬金術は苦手なのか?」
「はい。ボクも毎回爆薬になっちゃうんですよね」
身近な所に危険人物とはいるものである。
「そうかそうか。で、お前達は何しに来たんだ?」
「え…?」
あまりにもすっとぼけた神谷葉子のセリフ。
呼び出された生徒三人はたまったものではないだろう。
「先生が呼び出したんじゃないですか…」
呆れたような未咲のセリフ。
確かに無理もないが。
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