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――――アリス。
―――アリス。
――アリス。
早く起きるんだ。
どうせ逃げられやしない。
さぁ――早く目覚めろ。
刻は近い。
アリス。
「――う、ん」
私はベッドの上で寝返りを打つ。
息が苦しいような、胸が痛むような感覚に、眉根を寄せて。
アリス、さぁ起きろ。
君は選ばれたんだ。
――選ばれた? 誰に?
誰にだって? 決まっているだろう?
――運命にさ。
謎の声は実に愉快だ、とばかりに大きな笑い声をあげる。その声が頭の中で響いて頭痛のように木霊する。
――あなたは、誰?
俺は。
僕は。
白いウサギさ。
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