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「…あれ、あそこ誰か倒れてません?」
平隊士は指を指す。
確かに道端で倒れている。
めんどうですねー
と沖田は思いながらも善良な市民を放っておくことなどできず、倒れている人に近づく。
「…なっ!これはひどい!」
平隊士は声をあげた。
倒れていた人は着物が破け、体には無数の傷。
そして一番ひどいのは腕の傷で、貫通していた。
「…ハァッ……ハァ」
「…!沖田先生!この人…」
「まだ生きてるみたいですね…屯所まで運びましょう」
「はい!」
沖田は倒れている少年の頭の膝の裏を持ちあげた
族に言う『お姫様抱っこ』をした
そして沖田は疑問に思う
…この人軽すぎる。
違和感を感じたが、平隊士の言葉にそれは一瞬にして頭から消える
「…それにしても、おかしな人ですね」
「え?」
「この人、刀を強く握ってるんです。放さないといったかんじで…」
確かに、彼の手にはしっかりと刀が握られていた。しかも…
「黒い、刀…?」
闇のように黒く、寒気が走るほど綺麗で不気味な黒い刀だった
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