第1夜

3/4

1656人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
「…あれ、あそこ誰か倒れてません?」 平隊士は指を指す。 確かに道端で倒れている。 めんどうですねー と沖田は思いながらも善良な市民を放っておくことなどできず、倒れている人に近づく。 「…なっ!これはひどい!」 平隊士は声をあげた。 倒れていた人は着物が破け、体には無数の傷。 そして一番ひどいのは腕の傷で、貫通していた。 「…ハァッ……ハァ」 「…!沖田先生!この人…」 「まだ生きてるみたいですね…屯所まで運びましょう」 「はい!」 沖田は倒れている少年の頭の膝の裏を持ちあげた 族に言う『お姫様抱っこ』をした そして沖田は疑問に思う …この人軽すぎる。 違和感を感じたが、平隊士の言葉にそれは一瞬にして頭から消える 「…それにしても、おかしな人ですね」 「え?」 「この人、刀を強く握ってるんです。放さないといったかんじで…」 確かに、彼の手にはしっかりと刀が握られていた。しかも… 「黒い、刀…?」 闇のように黒く、寒気が走るほど綺麗で不気味な黒い刀だった .
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1656人が本棚に入れています
本棚に追加