第2夜

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私は暗闇の中をさ迷っていた …死ぬのだろうか? ふ、とそんな疑問が頭をよぎる このまま死ねばきっと楽になれるだろう 私はもう疲れてしまった だから、もう…この、深い暗闇へと身を沈めよう そう思った その時! 「お前は馬鹿か!」 怒鳴り声が聞こえた それは何に対しての馬鹿かわからないけど、必死に怒っていて… 私は声の出所を無意識に探した 「…!………!」 「て…!……ねー!」 ……うるさーいなぁ 「だいたい……だろ!」 もう少し静かにして…… 「ふざけ……ね!」 あー…もう、文句言ってやる! そして私は目を開けた………――――― 「馬鹿かてめー「うるさぁい。人が寝てるのに騒ぐなぁー」 間の抜けた声にそこにいた2人は驚き首を横に向けた 「あ、起きましたか?」 キラキラと好感音がつきそうな程の笑みで女顔は言った 「あれ?ここは?」 「新撰組の屯所ですよ。 いやー驚きましたよ!何たって道端で倒れていたんですから」 「…え?ってことは助けてくれたんですか?」 キョトンと彼、沖田を見て少年は首を捻った 「はい」 その返事を聞き、彼は花が咲いたように笑った 「えっ!本当ぉ!? ありがとう!名前聞いていい?」 「沖田総司と言います」 「ありがとう!おき!」 「…お、き?」 「はい!沖田だから“おき” ……嫌でした?」 うるうると目を潤ませ、傷ついた子犬みたいな表情をされればさすがの沖田も 「そんなことないですよ!」 と、言うしかなかった 2人は打ち解け笑いあっていたが… 「ちょっと待てーー!!」 と言う声に遮られた
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