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数秒後。
「なんっじゃこりゃああああぁぁぁーーーーーーーーーっっっ!!!!!!」
都内一角の日本家屋が、『悲鳴』という名の震源により大きく激震した。
テーブルから払い取られた数十万の請求書は、辛くも伸一の手から逃れ。
今度はヒラリヒラリと床に舞い落ちる。
『スナック 黒蜥蜴』。
父親、黒川俊夫、生前の浮き名の名残、ここに見参。
両手で頭を抱えてしゃがみ込み、しばし立ち上がれない伸一と。
そんな弟を、まるで無関係のように白けた顔で見下ろす兄の図が展開した。
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