夢のひとりぼっち

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「ただいまぁ~」 僕は誰もいない我が家に元気よく挨拶した。 親の心配で一人にしては広すぎる2LDKに越してきた僕は、母親の「掃除機でしょ、食器でしょ、あとは…」の好意をクリアし、父親の「冷蔵庫に炊飯器に、あと何がほしい?何が足りない?」もなんとかクリアし、三日目にしてようやく念願の一人暮らしを手に入れることに成功した。 「ひっとりぃ~の三喜雄♪自由ぅ~よ、こんにちは♪」と小意気に歌ってみた。 「そして、一人暮らしの秘密兵器!」そう、一人でつぶやきながら手に持っている袋から取り出した… 「アダルトビデオ!あえてもう一度言おう、アダルトビデオ!」僕が一人暮らしをしたかった動機のほとんどを占める宝物を僕は手にしていた。 くだらないと思うやつは思うがいい。男はみんなスケベだ。少女漫画に出てくる王子様なんて現実にはいない。むろん男性漫画に出てくるような女性も見たことないが…。 ま、そんなことはどうでもいい!僕は手に入れた。自由、希望、夢、憧れ、幸せの一人暮らしを! ピンポーン 「ん?誰か来た…。」一人暮らしで怖いのが訪問販売!新聞を脅されて買ったなんてよく聞く。 「だがら僕は秘密兵器を用意したのだ!」
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